それは僕の誕生日。
だから、僕の誕生日はいつも学校が休みだった。
振り替え休日なんぞ怠け者の日もなかった。
息子二人の成人式は覚えていない。
長女の成人式はもう7年ほど前。
着物がなくて友人から借りた。
髪結いは長女の知り合いでやった。
なんだかんだで式に遅刻。
やっとこさ、町のホールに着いた。
会場がザワザワしていたので、「よかった、まだ始まっていない。」
ところが、会場に入ってみると、壇上では町長が祝辞を述べている最中。
階段状の席には成人達が座っていて私語が充満。
ザワザワの原因はこれだ。
僕は頭にきて舞台に上がろうとしたら、舞台への小さい階段の前で係りの人が立っている。
「煩すぎやしませんか?」と小声で言ったら、どうでもいいような顔。
誰も舞台に上がれないように見張る係り。
舞台の上で、「このバカたれが、ちゃんと話を聴け!」と怒鳴りたかった。
ガキが着物を着て友達とくっちゃべっている。
男どもも着物や背広姿でペチャクチャやっている。
町長も町長でこの騒々しい中平気で祝辞を述べている。
マイクで述べていても聞き取れないくらい騒々しい。
何分かムカムカして会場を後にした。
あれ以来、「成人式」と聞くと「へッ」と唾でも吐きたくなる。
国会前の若者たちを見ていると拍手を送りたくなるのに・・・。
成人式はもう止めて、着飾るのも止めたらいい。
二十歳を迎える若者を年に何度か集めて自治体の長が労うことでいい。
事実、若者だけがこの国の将来を担っている。
18歳以上に選挙権があるのなら、もう成人式は無意味。
もうこんな猿芝居は止めよう。