2016年10月18日

認知症とは

僕の父は93歳まで生きた。
というか、母が死んで7年間生きた。

でも、母が死んでしばらくすると、おかしくなった。
「あっけないもんやなあ。」というのが父の言葉だった。

母が死んだことを銀行へ知らせたのも父だった。
それが、あとで災いした。

死亡した母の貯金通帳を解約するのには、父だけではなく、子供全員の了解がいる。
兄弟とは断絶状態の弟との連絡がつかずに難儀した。

父はその頃から怒りっぽくなった。
自転車で出かけては帰りの道がわからずに迷子になってパトカーで帰宅することもあった。
自転車は警察のワゴン車で届けてもらったりした。

自宅の床下には石灰がばら撒かれて、換気扇まで回っていた。
次々と業者が来ては、新しい契約をしていく。
とうとう、実印がなくなってしまった。

母の一周忌には、お経が始まると、「もう帰る。」と言って席を立つ始末。
だんだんとおかしくなってきて、とうとうグループホームに入った。

僕が子供の頃には厳しくて怖い親父だった。
それが、ホームに入ってからは、人の世話をしたり、いつもニコニコになった。
僕が会いに行くと長男と間違えたりしたが、手を握って離さなかった。

なんだか、歳とともに子供に戻っていくような気がした。
認知症も進んでいた。
認知症が病気なら、しかたがないが、子供返りや赤ちゃん返りだろうか?
それなら、認知症という病名は当たらない。

僕の愛犬も今年で14歳になる。
もう何年も前から、寝てばかりだ。

宅急便が来ても、知らない人が家に来ても知らないふり。
若い頃は宅急便のお兄さんに飛びついて咬んだりしたこともあった。

今では、誰にでも、愛嬌を振りまく。
なんだか、子犬に戻ったみたい・・・。

そうか、動物は高齢なるとともに子供や赤ちゃんに戻るのだろう。
認知機能が無くなることを嘆くより、産まれた母のお腹に戻るように赤ちゃんに戻る。
墓に入るということは、母の元へ帰ることだろうか?

僕も年齢を重ねるごとに、昔の音楽や想い出に浸ることで幸せになれるような気がする。
この歳になっては、もう新しい曲にも理解がなくなる。
僕の子供返りや赤ちゃん返りだろうか?

posted by ままちゃん at 11:25| Comment(0) | その他の病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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