頭のシラミの駆除にDDTを散布された。
回虫の駆除に駆虫薬を飲まされた。
僕は錠剤を飲んだことがなく、飲み込めなくて怖かった。
女の子と二人だけが飲み込めなくて、飲むまで黒板の前に立たされた。
苦い思い出だ。
僕の家でも庭に野菜を植えていた。
肥料はもちろん、人間の糞尿である。
寄生虫がウヨウヨだったのだろう。
蟯虫の検査で、お尻にテープを貼って剥がしたものを学校に持参した。
これは中学校の時だったと記憶している。
すでに、東京オリンピックの年だった。
その頃から、アトピーやら喘息やらが急激に増え出した。
寄生虫というものは身体の中にいて当たり前だった。
いや、今でも、寄生虫がいて「当たり前」のはず・・・。
それを悉く駆除した。
身体の血液の中には白血球というものがある。
身体に侵入してきた他者に抵抗する見張りの兵隊だ。
寄生虫には好酸球という白血球が対抗する。
身体の中から一切の寄生虫がいなくなった現在、彼らは暇で仕方がない。
攻撃するものがない。
そこで、自分の体の一部を攻撃し始める。
自己免疫疾患という。
アトピーも喘息も同じだと、僕は思う。
アトピー性皮膚炎で毛が抜けて痒くて仕方がない犬がいる。
動物病院で処方されたシャンプーやら処方食でも完治しない。
薬では悪化するばかり・・・。
その犬の耳の側に大きなオデキができた。
動物病院では「腫瘍」と診断。
それと同時に奇跡が起きた。
身体中のアトピーが綺麗に治ってしまった・・・。
でも、その腫瘍がだんだんと大きくなってきた。
動物病院で取ってもらった。
その後、1ヶ月ほどしてから、またアトピーが再発した。
これは、好酸球だけではなく、免疫に関与する細胞が暇で自分の身体を攻撃するアトピーだった。
それが、身体に腫瘍ができて、今度はそれを攻撃し始めた。
訳がわからない相手を攻撃するよりも、腫瘍という明確な攻撃相手を見つけたわけだ。
喘息は免疫細胞の誤作動だという。
若者にするべきことを与えないと非行に走るのと同じだ。
免疫細胞に仕事を与えるにはどうすればいいのだろう?
寄生虫を身体に入れるのは現実的ではない。
そこで、ビタミンDの免疫賦活作用が注目される。
僕は一日に10000単位を飲んでいた。
最近は忘れていた。
僕の髪の毛が抜け始めて、背中の痛みも始まった。
ビタミンAの過剰投与を疑った。
それで、ビタミンDの投与も怖くなった。
昨年の春からビタミンDとオメガ3を始めた。
でも、思うようには喘息は好転しなかった。
太陽光で身体にビタミンDが合成される。
これは、最早、ビタミンではなく、「ホルモン」と言われる所以だ。
15分間の日光浴で20000単位近くが合成される。
ならば、毎日10000単位の投与は異常ではない。
もう一度、初心に戻ろう。